eBay、アニメ・漫画グッズの海外動向を発表 日本からの販売は昨年比15%成長も供給不足

2018.01.03

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 世界最大規模のショッピングサイト「eBay」への出店サポートやマーケティング支援をしているイーベイ・ジャパン株式会社が12月21日、日本の販売ユーザーからの出品商品で人気の高い、アニメ・漫画キャラクター関連アイテムの海外販売に関する市場動向について発表。昨年同期比15%(2016年9月~2017年8月)と堅調に伸びている一方、世界のオタク市場の需要に供給が追いついていない側面も浮き彫りになりました。

 

■昨年比15%の成長も需要の取りこぼし目立つ

 

 同社は今回発表したアニメ・漫画アイテムの海外販売データでは、日本のセラーから出品・販売されるアニメ・漫画関連アイテムは、昨年同期比がプラス15%(2016年9月~2017年8月)と力強い伸びを示しています。中でも、『ポケットモンスター』関連グッズの販売は、昨年同期比はプラス52%~84%の伸びを示しています。

 

 特に、ポケモンカードは、昨年同期比84%の伸びを記録しました。販売実績が伸びたアイテムは、カードからぬいぐるみまで幅広いアイテムで高い伸びを示しています。また、ゴジラを含む怪獣(フィギュア)は昨年同期比からプラス40%、アニメキャラクターに関連するフィギュアはプラス25%と強い成長を示しています。

 

 一方、課題点も浮き彫りになっています。日本の販売者のセール量は、各キャラクターアイテムの販売総額のうち7%~15%。世界のオタク市場の潜在需要に供給面で応えきれていない現状も明らかになっています。

 

 例えば『遊戯王』シリーズ、日本の戦隊シリーズ(米国ではパワーレンジャーとして人気)、『進撃の巨人』などの関連のアイテムは、イーベイで大きな売り上げ規模を誇りますが、日本の販売者の出品は多いとは言い難く、需要を取りこぼしている模様です。

 

■ネット社会の影響顕著 ミレニアム世代のアニメ需要は日本国内の放送とリンク

 

 イーベイ・ジャパンはさらに、定量データの分析に加え、日本から出品されているアニメ・漫画関連アイテムをイーベイで定期的に購入しているリピートユーザーにアンケートを実施。イギリスからエクアドルまで12か国にまたがる18歳から45歳の19名の男女の消費者心理を定性的に分析しました

 

 同アンケートでは、ユーザーの情報源について、年代別に特徴が表れました。30代半ばから40代以降の中高年層は、各国のテレビ放送で初めて日本のアニメに触れファンになった方が多い様子。結果、その当時・その地域で放映されていたアニメに強い興味を示しています。

 

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イーベイ・ジャパンの調査に協力したミレニアム世代の女性(カナダ・オンタリオ州)、クリスティーンさんの自宅。好きなキャラクターのグッズが所狭しと並んでいます

 

 他方、インターネットともに育ったミレニアム世代は、アニメに触れるのはYouTubeやFacebookなどソーシャルメディアが情報源です。特にYouTubeが始まった2000年代後半以降は、日本の最新のアニメに即時触れられるようになり、国内の多種多様なトレンドがすぐに海外に伝播する状況になってきました。イーベイ上で購入されるアイテムも、最新アニメが国内で放映されるとほぼ同時に、関連アイテムが購入される傾向が表れつつあります。

 

 また、全回答者から日本の販売者との取引に高い満足度が示されました。丁寧な梱包と顧客対応に加え、商品が適正な価格であり、かつコピー商品ではないことが安心感と満足度につながっているようです。好きなアニメキャラのグッズを買うなら日本のセラーを積極的に選ぶ傾向が表れています。

 

 今回の調査は、海外におけるアニメ・漫画関連市場の越境ECの可能性を示唆する結果となりました。2018年のさらなる成長に期待です。