「CGWORLD クリエイティブカンファレンス」 CG会社が一堂に会するセッションイベント 大盛況で幕を閉じる

2014.12.02

 

 

CGクリエイターのためのカンファレンスイベント「CGWORLD 2014 クリエイティブ カンファレンス」が11月23日、文京学院大学で開催された。これはCG業界をリードするアニメやゲーム、VFXの企業やクリエイターがメイキング技術の解説や業界の状況を多面的に語り交流を図るイベント。4年目を迎える今年はCG業界への注目の高まりに比例するかのように多くのCGクリエイターや学生が来場し、盛況ぶりが伺えた。


 

■人気CG会社「社長会」ほか、豪華すぎるラインナップ!

 

セッションは1コマが1時間で、4時間帯で合計28コマ用意されている。同時間帯で最も人数が多いセッションは大学講堂を使って行なわれ、1コマ目は11月に公開され大ヒット中のアニメ映画『楽園追放 -Expelled from Paradise-』のフィルムメイキングが開催された。セッションでは3DCGモデリングからキャラクターの表情作り、アクション演出についての解説が行われた。このほか同時間帯にはアニメ『蒼き鋼のアルペジオ-ARS NOVA-』を制作したサンジゲン、『シドニアの騎士』のポリゴン・ピクチュアズなどCG制作会社の社長5人がトークセッションするという「CG社長会」が行なわれた。内容は10年後の未来予想図という、会社の方向性に関するものから、社長個人のビジョンに至るまで多彩なトークが繰り広げられた。


2コマ目には「マクロスF」のCGパートなどを制作したサテライトのチーフディレクター八木下浩史氏による「 CGアニメーション制作におけるディレクション及びワークフロー」が開催された。大教室は満員になるほどの注目ぶりでクリエイターが多かったもよう。内容は実務志向で、同社のワークフロー解説から効果的な演出手法、チームとしてモチベーションを保つディレクション方法など、具体的なプロダクションの事例が数多く語られていた。

 

■注目のCGアニメ対決、果たして結末は……!?

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3コマ目の注目は大講堂で行なわれた「ガチンコ!アニメーション対決!!」。人気TVゲーム「NARUTO ナルティメットヒーロー」や「.hack」シリーズのサイバーコネクトツー(以下CC社)と、「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」スタジオカラーのデジタル部が、1分間の3DCGアニメーションで対決を行なうというもの。事前にCC社ブログ上でこれまでの経緯を記事にして話題を盛り上げたこともあり、約800席が満席となった。スタッフ招集や進捗、納期についてまでがトークのネタになるのがクリエイターズカンファレンスらしい。作品についてはキャラクターとストーリー展開は共通で、絵コンテや演出でいかに独自性を表すかが勝負の鍵となる。それに加えて技術解説や観衆からのリアクションなどを含めてレフリーの神風動画・水崎社長が採点。ゲーム会社による「アニメーション作品」の多彩な可能性を見せたことが決め手となり、CC社が勝利を収めた。

 

 

 

 

このほか、白組による実写VFXのワークフローやKneadによる3Dプリントのデータ制作に関する解説など、セッション項目はアニメやゲームに限らず、学生向けの解説からメイキング技術、業界ビジネス動向についての内容まで多彩だ。現時点で来年度の開催アナウンスは発表されていないが、CGに興味があるならば必聴のイベントだったに違いない。クリエイターにとってもセッション後の交流会では多彩な意見交換が行われるなど、有意義で刺激的な一日になったもようだ。

 

 

CGWORLD 2014 クリエイティブカンファレンス

http://cgw.borndigital.jp/2014/

 

 

タジオカラーVSサイバーコネクトツー ガチンコ!アニメーション対決!!特設サイト

http://www.cc2.co.jp/kharaXcc2/