ナショナルデパート株式会社から、オリジナルブランド「女王製菓」のフラッグシップモデルとして、女王製菓新章第一話『享楽の庭に眠る将軍の金塊と、夜の静寂に妖しく光る漆黒の城』が発売されました。
女王製菓は、2006年、岡山県岡山市に本社を構えるナショナルデパート株式会社から発売された、「お菓子とストーリーが連動した、今までにないエンターテイメントお土産」です。今回新たに発表されたのは、フィナンシェ(6個入り)、漫画ポストカード、漫画ノベル(8ページ)、缶バッジ付き\1,944-(税込)のセット。漫画には、フランス王妃マリー・アントワネットが「パンが無ければお菓子を食べればいいじゃない!」と叫ぶシーンが描かれています。2014年にはパリの老舗百貨店ル・ボン・マルシェで販売され、2015年5月にはベルサイユ宮殿公認ブランド「ROSA COMTESSE」とのコラボレーションを果たしました。
斬新なパッケージと販売手法により、SNSで話題を集める女王製菓。その意図とは? 今回、構想、作画、パッケージデザイン・設計、ストーリー、レシピ作成、すべてをひとりで担っている、ナショナルデパート社長の秀島康右氏にお話を伺いました。
――「女王製菓」の構想にはどのくらいの時間をかけられたのですか?
最初の着想は2005年12月。2006年2月に商標出願と当時のブログで商品企画を発表し、オープニングムービーを制作しました。
2007年に第一話「夜の静寂に妖しく香る赤い薔薇」(ミルク餡をバラの香りのケーキで包んだお菓子)を発売。その後、2010年までに13話までを発売しました(内、別冊として2ストーリー)。
――商品の売れ行きや、SNSでの反響についてのご感想をお願いします。
女王製菓はPRという側面が強く、限定的に販売しているので販売実績は少ないですが、様々なニュースサイトにとりあげていただいて、反響はかなり良かったです。ただ、SNSの反響やアクセス解析を見てみると、都市部にかたよっている感じがしました。このPRが販売実績につながるのは8月の帰省シーズンからと見ていて、販売店が岡山市内の2店舗のみなので、もう少し販路を拡大して再度PRを仕掛けていきます。
――「女王製菓」シリーズの、今後の商品展開のご予定はありますか?
今夏には「女王製菓パイ」の販売を計画しています。手軽に購入できるバラマキ土産としての需要をカバーしていきたいです。グッズ展開も、年内にはスタートできればと思っています。
――それでは「女王製菓」シリーズ以外での、次回作の構想がありましたらお願いします。
女王製菓のキャラクターとは正反対ですが、仏壇や神棚から着想したプロダクトブランドの発売が迫っています。そのほか、真庭市非公認キャラクター『まにわん』や、『ももたん』など、いろいろとキャラクターを制作しています。キャラクターのライセンス商品としての菓子やグッズではなく、最初からプロダクトの要素としてキャラクターを組み込んで世界観を演出する方法をとっています。
――ありがとうございました!
アニメ・漫画コンテンツをPRに活用し、口コミの広がりをてこに実際の販売へと結びつけるという、コンテンツマーケティングのど真ん中を地で行く秀島氏。今回のインタビューの受け答えからは、非常に多くの示唆をいただきました。お菓子からキャラクターまで、一貫した世界観のもとで創作を行うナショナルデパート株式会社。次々と繰り出される野心的なプロダクトから、目が離せそうにありません。
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■参考リンク
ナショナルデパート