『ドラえもん』効果は絶大! 2015年、カラオケで 最も歌われたのは秦基博「ひまわりの約束」 ~「2015年JOYSOUNDカラオケ年間ランキング」発表~

2015.12.14

 

 業務用通信カラオケ「JOYSOUND」シリーズ、「UGA」シリーズを展開する株式会社エクシングは、2015年1月~11月までのデータを基に、「2015年JOYSOUNDカラオケ年間ランキング」を発表しました。楽曲ランキング1位には、2014年度のランキングで201位だった秦基博(ハタ・モトヒロ)の「ひまわりの約束」が、アーティストランキング1位には、4年連続1位だったAKB48に代わり、西野カナが選ばれています。

 「2015年JOYSOUNDカラオケ年間ランキング」では、楽曲の総歌唱回数を順位付けした「カラオケ総合ランキング」をはじめ、最も楽曲が歌われたアーティストを紹介する「アーティストランキング」、「演歌/歌謡曲ランキング」、「アニメ/特撮/ゲームランキング」、「VOCALOID™ランキング」、「洋楽ランキング」など、カテゴリー別に11のランキングが発表されています。まず、30位までが発表されているカラオケ総合ランキングでは、今年8月から15週連続でトップを獲得している秦基博の「ひまわりの約束」が1位となりました。「ひまわりの約束」は、劇場でもヒットした3DCGアニメ『STAND BY ME ドラえもん』の主題歌として2014年にリリースされた、秦基博にとっては17枚目のシングルです。その優しく伸びやかな歌声で幅広い層から支持を受けている秦さんですが、国民的アニメのタイアップもあり、さらなる人気を獲得。2015年に入ってランキングが急上昇したのは、8月に地上波で『STAND BY ME ドラえもん』が初放送されたことが大きな要因となっています。2位に入ったのは、中高生に中心に支持を広げるSEKAI NO OWARIの「Dragon Night」。タイトルを連呼する印象的なサビと、トランシーバー型マイクで歌唱するボーカルFukaseさんの姿が若者の心を掴みました。3位は中高年を中心に若者にも高い知名度を誇る中島みゆき「糸」が、4位にはカラオケボックス内でも再現できるダンス「ランニングマン」で話題となった三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBEによる「R.Y.U.S.E.I.」がランクインしています。

 

 5位以下のランキングを見てみますと、8位に「残酷な天使のテーゼ/高橋洋子」(アニメランキングでは3位)、9位に「千本桜/WhiteFlame feat.初音ミク」(VOCALOID™ランキングでは4年連続トップ)という、アニソン、ボカロ系の“常連組”が上位に。2015年発売曲で唯一ランクインしたのは、クマムシの「あったかいんだからぁ♪」で、14位に入っています。以前からヒットチャートとの乖離が大きかったカラオケランキングですが、今年に至ってはほぼ皆無となっている点が、特に注目すべき点と言えるでしょう。

 

 


ひまわりの約束(Short.Ver)/秦基博

 

 


Dragon Night/SEKAI NO OWARI

 

 


R.Y.U.S.E.I./三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE

 

 

 アーティストランキングでは、「Darling」、「会いたくて 会いたくて」、「トリセツ」などコンスタントに楽曲をチャートに送り込み、「ラブソングの女王」とも言われる西野カナがトップに立ちました。デビュー当初はテクノポップ色が強いサウンドであった彼女も、カントリーやR&Bの要素を取り入れながら王道のガールズ・ポップスへとシフトし、幅広い人気を獲得。これまで4年連続トップであったAKB48を上回りました。2位にSEKAI NO OWARI、3位に嵐、4位にMr.Children、9位にサザンオールスターズと、国民的人気バンド、グループが上位を占めていますが、14位にはback numberがランクイン。2011年にメジャーデビューした彼らは、メロディアスで繊細な楽曲が人気の3ピースロックバンドで、2013年には武道館で、2015年にも横浜アリーナでライブを行うトップアーティストに成長しています。カラオケ総合ランキングにも「高嶺の花子さん」(28位)を送り込んでおり、今後のさらなる飛躍が期待される注目株です。

 

 


トリセツ(Short.Ver)/西野カナ

 

 


クリスマスソング/back number※フジテレビ系月曜9時ドラマ「5→9 ~私に恋したお坊さん~」主題歌

 

 

 

 カテゴリー別のランキングも見ていきましょう。「演歌/歌謡曲ランキング」では、石川さゆりが「天城越え」(総合ランキングでも27位)、「津軽海峡冬景色」でワンツーフィニッシュの圧倒的強さを見せ、「アニメ/特撮/ゲームランキング」では、1位に「ひまわりの約束」、2位に『アナと雪の女王』主題歌「Let It Go~ありのままで~」が入り、昨年爆発的な流行を見せた『妖怪ウォッチ』のテーマソング「ようかい体操第一」も5位にランキングされました。今年リリースされた楽曲で11位にランクインしたのは、『血界戦線』のテーマソングにもなったUNISON SQUARE GARDENの「シュガーソングとビターステップ」。人気アニメ『TIGER & BUNNY』の主題歌を手掛けたことで知られる彼らも、アニメファン、ロックファン双方から熱い支持を獲得しており、今年は初の武道館ライブを成功に導いています。

 

 


シュガーソングとビターステップ ショートVer./UNISON SQUARE GARDEN

 

 

 

 「VOCALOID™ランキング」では、「千本桜」、「脳漿炸裂ガール/れるりりfeat.初音ミク、GUMI」、「天ノ弱/164 feat.GUMI」といった定番曲が上位を占め、昨年からランキングの変動はあまり見られません。12位の「聖槍爆裂ボーイ/れるりり/もじゃ feat.鏡音レン」、19位の「ギガンティックO.T.N ギガP feat.鏡音レン」は2014年から配信が開始された新規曲で、これからどこまで上位に食い込むのか動向が気になるところです。「洋楽ランキング」では、イディナ・メンゼル「Let It Go」が首位を獲得。カントリーシンガーからポップシンガーへと進化を遂げ、全世界で旋風を巻き起こしているテイラー・スウィフトは、2位に「We Are Never Ever Getting Back Together」、6位に「SHAKE IT OFF」に送り込みました。カーリー・レイ・ジェプセンやワン・ダイレクションといった、テイラー・スウィフト同様、アイドル的人気もある実力派ポップシンガー/グループが複数曲をランクインさせているのも今年の特徴です。セリーヌ・ディオン「MY HEART WILL GO ON(LOVE THEME FROM ‘TITANIC’)」(3位)や、カーペンターズ「TOP OF THE WORLD」(9位)といった往年のヒット曲も、カラオケでは変わらず人気をキープしているのが窺えます。「韓国曲ランキング」では、PSYの「カンナムスタイル」が今年も1位となる一方で、韓流新勢力と言えるEXOやエイピンク、クレヨンポップなどがランクインしており、常連組である東方神起やBIGBANGと激しい争いを繰り広げています。

 

 


聖槍爆裂ボーイ/れるりり feat.鏡音レン

 

 


We Are Never Ever Getting Back Together/テイラー・スウィフト

 

 

 総合ランキング1位となった「ひまわりの約束」のように、劇場映画がTV放送されるタイミングでリクエストが急増する、という新たな傾向も見られた「2015年JOYSOUNDカラオケ年間ランキング」。2015年のヒット曲がほとんどランクインしないのは、国民皆が知っているような大ヒット曲が生まれず、アニメ、インディー、アイドル、ボカロなど様々なクラスタにヒットが分断・分散化されているからと言えるでしょう。ただ、紅白歌合戦をはじめ年末年始の歌番組を機にリクエストが増える傾向にあるため、来年のランキングに今年を彩った楽曲が顔を出すことは充分に期待できます。特に、今年の紅白初出場となるμ’s(ミューズ)やゲスの極み乙女、星野源のほか、復活組ではレベッカ、X JAPANなどが、2016年のランキングに登場する可能性が多いにあるのではないでしょうか。

 

11のカテゴリーすべてのランキングが掲載された、オフィシャルページはこちら
https://www.joysound.com/web/s/karaoke/contents/annual_ranking/2015.vm?acfm=ranking2015