熱狂!シンガポールもラブライブ!フィーバー 『C3 CharaExpo 2016』イベントレポート

2016.07.19

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 夏はイベントシーズンである。ワンダーフェスティバルやコミックマーケットなど大型のコンテンツ系イベントを含め、毎週末何かしらのイベントが国内では開催されている。海外においてもそれは同様で、7月初週にアメリカ・ロサンゼルスにて述べ30万人を動員した『Anime Expo』が開催され、その翌週にはフランス・パリにて『Japan Expo』、さらにその翌週にはイギリス・ロンドンで『Hyper Japan』が開催される。欧米だけに限らず、アジアにおいても大型イベント『Anime Festival Asia』が8月のタイを皮切りに、9月にインドネシア、10月にシンガポールと展開される。コンテンツ企業の海外担当者にとっては非常に忙しい時期となるのは間違いないだろう。その流れの中で、日本のコンテンツ系イベント『C3 CharaExpo』がシンガポールにて開催された。本記事では、同イベントの現地レポートをお届けする。

 

 7月9日(土)・10日(日)の二日間開催された『C3 CharaExpo 2016』、構成としては定常的に展開されるブースとステージイベント、そしてイベント終了後に開催されるプレミアムライブの3つで構成されている。入場料は前売りで8シンガポールドル、当日10シンガポールドルと、低年齢層も気軽に立ち寄れる価格帯に設定されている(記事執筆時、1シンガポールドル≒約75円)。

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初日、うだるような熱さの中、早朝からファンが長蛇の列を作った。ゲートをくぐった参加者がお目当てのブースまで足早に向かう様子も日本のイベント同様だ。

 

 ブースについては、日本からアニプレックスやバンダイナムコエンタテインメントなどが大型ブースを構えつつ、アニメスタジオ、美少女ゲームメーカー、グッズメーカーや専門学校など幅広いジャンルの出展があった。

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アニプレックスブースでは、民族衣装を着飾ったソードアート・オンラインのキリトとアスナがお出迎え。

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バンダイナムコエンタテインメントはゲームとして幅広いタイトルの試遊台を設置した。物販のメインはアイドルマスターシリーズだった。

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バンダイブースはガンダムを中心として、セーラームーンやドラゴンボールなど海外にて人気のキャラクターを展開。

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ゲーム『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』の大型筐体の前には常に人だかりが!『ラブライブ!サンシャイン』のパネルも常に誰かしらが撮影をしていた。

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『ラブライブ!』グッズを多く扱うブシロードの物販ブースには長蛇の列。この列は二日目になっても短くなりこそすれ、途切れることはなかった。

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同じくブシロードブース内にてプロモーションがされたアニメ『BanG Dream』。ステージブースでも主要声優がほぼ揃い踏みでライブを行うなど、海外展開に力を入れていた。

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美少女ゲームメーカー「ビジュアルアーツ」は、イベント限定商品を求め、イベント開始早々長蛇の列が出来た。お目当てのものを購入でき、ガッツポーズをする熱狂的なファンの姿も印象的だった。

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アニメスタジオ単体としては、サテライト、日本アニメーション、動画工房、手塚プロダクションが出展をしていた。出展方法は原画展示もあれば物販もあり、オープンステージへの出演もありと様々だ。

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キャラクターとしては、ドラえもん、クレヨンしんちゃん、ウルトラマン、仮面ライダーなどのプッシュが目立ったのも同イベントの特徴といえるだろう。

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フィギュア・グッズ関係の企業としては、グッドスマイルカンパニー、Hobby Japan、バンプレスト、コスパなどが出展。

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現地のグッズ販売で存在感があったのは「OTAKU TACHI」だ。豊富な商品ラインナップとリーズナブルな価格の両点から、現地のファンがブースに人だかりを作っていた。

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出版社としてはKADOKAWAが大きなブースを構え、『ラブライブ!サンシャイン』『ソードアート・オンライン』、アニメが始まった『サーヴァンプ』を出展していた。

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大変の賑わいを見せたのはトレーディングカードゲームだ。プレイスペースにはイベントが始まってすぐに多くの参加者が集まり、TCG関連グッズの販売も活況だった。

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現地のライセンシー「Mighty Media」、「ANIMAX」が出展。自社が抱えるタイトルを大々的にアピールしていた。

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動画配信のDAISUKIも出展。

 

 ステージイベントについては、アニメタイトルやアニソン歌手をベースとしつつも、アイドルやアニソンのカバーバンドなど、同イベントならではの顔ぶれが目立った。

Artist

 

 またイベント終了後に、同会場のステージを使用して行われるプレミアムライブでは、9日に三森すずこ、10日に新田恵海という『ラブライブ!』の声優がそれぞれの夜を飾る構成となっている。どちらのイベントにおいても、ファンは一糸乱れぬコールアンドレスポンスとサイリウムパフォーマンスを行い、日本のライブそのままといった熱気だった。

 

 イベント自体に二日間参加しての印象は、参加しているファン層がとにかく若いということだ。ここ近年のインターネットの発達により、日本のアニメーションがテレビ回線で流れていなかったとしても見ることが出来るようになったことが大きく起因しているのだろう。肌感になってしまうが参加者としては、20歳以下と思われる弱年齢層が半数を占めるのではないだろうか。学生が男女友達と連れ立ってイベントに来場しているであろう光景をいたるところで見かけた。
また、これも若い層が多いことに由来するだろうが、イベントにおける滞在時間も長そうだ。いわゆるオタク系のイベントにおいては、物販目的の客層は目的の商品を購入した後は会場を一回りしたら帰るようなイメージだが、イベントを回っている最中に朝10時に見かけた来場者を夕方にも見かける、といった場面に何度も出くわした。有料チケットを買ったからこそ、一日かけてイベントを楽しみつくそうという参加者心理の表れではないかなと感じた。

 

 コンテンツの人気、という点では『ラブライブ!』『ラブライブ!サンシャイン』のが非常に強いと言えるだろう。ムービーブースでは映画『ラブライブ!The School Idol Movie』が流れると、ブースからあふれるほどの人が集まり、劇中の曲に合わせてサイリウムを振るファンが見受けられた。物販においても、列が途切れずにイベント終了まで続いたのは『ラブライブ!』『ラブライブ!サンシャイン』グッズを多数揃えたブシロードブースのみだった。極めつけといえるのがステージブースで、『ラブライブ!サンシャイン』が二日目にイベントを行った際は、ステージブースにファンが入りきれず、入場規制がかかった。ステージ上の声優三人の一挙手一投足に歓声が上がり、最終的に歌の披露はなかったものの、大量の若いファンが「憧れの声優を一目見られて満足」といった顔でブースから出てゆくさまを見るに、相当の熱量がすでに担保されていると感じた。

C3 CharaExpo 2016 - Featured Contents - Love Live! School idol project Sunshine!!

 

 一方で、参加したファン層が若いこともあってかそれ以外のタイトルについての熱量はそこまで高くなく、物販系のブースは上記ブシロードを除いて、どこも苦戦していた様子だ。物販ブースを構えた企業担当者からは「10ドル以下の商品については比較的購入につながりやすいが、10ドルを越えると途端に手が伸びなくなる」「30ドル・40ドルの商品を購入していくお客さんももちろんいるが、衝動買いタイプは全体的には少なく、一度ブースに来て品定めをしたお客さんがイベント終了間際に予算調整を済ませて買いに来る」など感想をもらった。日本ではあまり見かけないがイベント最終日に、商品の値引きを開始するブースがいくつか見受けられたことを考えると、物販という点では次回以降に課題が残る結果となったといえるだろう。

 

 また課題と言う点では、初日・二日目の参加者数の違いもあげられる。入場者待機列が非常に長く形成されていた初日と比べ、二日目は全体として『ラブライブ!サンシャイン』のステージイベント前後は人の大きな流れがあったものの、それ以外では終始落ち着いた感じだ。物販目的の参加者が初日に目的を果たし、二日目に参加しないことを考えれば妥当とも言えるが、集客が見るからに減った点はやはり気になった。

 

 また、飲食系のブースがないことも同イベントの特徴といえるだろう。会場となったSingapore Expo自体がシンガポール市内から離れていることもあるが、周辺にはExpo会場に来るまでにあるセブンイレブン、サブウェイ、The Coffer Bean & Tea Leaf以外の目立った飲食店がない。少し足を伸ばせば、駅の反対側にあるショッピングモール「チャンギシティポイント」に多数の飲食店があるため、次回以降何かしら連携を取ることができたら良いのではないかと感じた。

 

 東南アジアは、アニメを見て育った多くの若いファン存在し、かつ経済成長著しい地域として、日本のコンテンツ産業にとって今後非常に有望な市場となることは間違いないだろう。その東南アジアにおけるシンガポールのこれからを担うファンへの、コンテンツアピールの場として『C3 CharaExpo』は今後大きな役割を持つこととなるだろう。今回のようにブシロード、創通などのコンテンツ側に位置する日本企業が主催する海外イベントは限られるため、コンテンツ業界が主体的に海外のファンへアプローチ出来る場としても『C3 CharaExpo』は注目が集まるだろう。一方で、シンガポールにおいてはAFAという多面的に展開アニメイベントも存在する。現状は『ラブライブ!』の人気によるところも大きく、現地のファンへどのようにその特徴を認知させるか、という点は課題となりそうだ。

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プロレスがイベント内に組み込まれていることも大きな特徴の『C3 CharaExpo』。試合中、技が決まるたびに場内からは大きなどよめきが生まれた。

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WakuWakuJAPANブースではTokyo Otaku Modeとのコラボレーション企画で、オリジナルカラーのアルパカのぬいぐるみを扱っていた。

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一般企業としてはCanonが唯一の出展となった。

 
 

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■C3 CharaExpo 2016公式ホームページ
http://chara-expo.com/