【AFAレポート】ニコニコ超会議が海外初進出!ニコニコ国会議を完全レポート

2014.12.06

 

今年で開催7年目を迎える、シンガポールで開催中の東南アジア最大のポップカルチャーイベント「アニメ・フェスティバル・アジア」(AFA)。そのAFAでは、日本の人気イベントニコニコ超会議が”niconico KUNIKAIGI”として併催されている。国会議では「アニメ」「ゲーム」「コスプレ」「ボーカロイド」「歌ってみた」「踊ってみた」など、超会議でも人気のコーナーを会場に再現。そんなニコニコ国会議の様子を完全レポートします。


 

■AFA展示スペースの1/4を占拠!国会議の目玉はニコニコのアーティストのライブステージ

 

AFAの会場は、「エキシビジョン エリア」と「ステージ エリア」の2つに分かれている。その前者、エキシビジョンの1/4のスペースで展示を行っているのがニコニコ国会議だ。AFAが企画するコンサートやライブに参加するためにはエキシビジョンのチケットの他に入場費がかかるのに対し、国会議はエキシビジョンのチケットを持っていれば入場可能。つまり無料で参加することができる。国会議のステージでもニコニコにゆかりのあるアーティストのライブを楽しめるほか、来場者が登壇できる企画も開催されている。また、ステージの様子はニコニコ生放送でもリアルタイムで視聴する事ができ、前方にあるビジョンでは日本からコメントが流れる仕組みになっている。

 

メジャーデビューもした「ROOT FIVE」

メジャーデビューもした「ROOT FIVE」

 

「歌ってみた」勢からは、「伊藤歌詞太郎」「天月」「Gero」「ROOT FIVE」が出演。いずれもメジャーデビューを果たしている、ニコニコ発のアーティストたちだ。日本だけでなく海外でも有名な彼らが、ステージ上で持ち歌を披露する。

 

AFA2_PCF

Japan Expo(仏)にも出演したPCF

 

「踊ってみた」勢からは、「愛川こずえ」「みうめ」「アルスマグナ」「PCF」が出演。アニソンやボカロ曲にあわせて振り付けをする「踊ってみた」は海外でも人気であり、ステージの後ろではアーティストの動きにあわせて踊っている来場者も見られた。

 

そのほか、ステージではアニソンDJによるパフォーマンスや、来場者が参加できるカラオケステージ・コスプレステージなども開催されている。

 

■プラネタリウムからひとりカラオケまで。国会議の展示を超解説!

 

国会議では、超会議で人気の展示が“海外出張”している。そのなかでも最も人気だったのが、シンガポールでも大人気の進撃の巨人の「訓練兵団体験入団」コーナーだ。作品中で主人公たちが巨人に挑む際に使用する空を飛ぶための兵器「立体機動装置」の訓練するというもの。AFAの他のブースでは見られない体を動かせるアトラクションであることから、初日には常時30分前後の待機列をなしていた。

 

もうひとつ、日本のコンテンツを用いたブースが、ソードアートオンラインのAFA2_OCU「ナーヴギア体験」コーナだ。ソードアートオンラインでは「ナーヴギア」というヘッドギアを使用し仮想世界にログインするというストーリー。その世界をバーチャルリアリティ(VR)デバイスのOculus Riftで体験できるのが、このコーナーだ。筆者も体験したが、見上げたり振り返る動作にあわせて司会の映像が移動し、まさに仮想世界に入ったかのような新鮮な体験ができた。

 

ニコニコ動画でものづくりを発表を行っているニコニコ技術部からは、AFA_PLA「ニコニコプラネタリウム部」「工房ヒゲキタ」「公立はこだて未来大」の三者によってつくられた「MMDプラネタリウム」が展示。ニコニコ動画で人気の3DCGコンテンツ、MikuMikuDance(MMD)を使用したプラネタリウムを体験する事ができる。ドームスクリーンにはVOCALOIDのキャラクターが投影され、3DCGの世界に360°囲まれるという不思議な感覚を体験できる。

 

「お一人様カラオケ」のブースでは、日本でも人気の「ひとカラ」を専用のカラオケボックスで体験できるというもの。来場者は、おひとりさま(もしくは2、3人)でブースに入ってカラオケをする事が出来る。歌を熱唱している様子はニコニコ生放送でリアルタイムで配信され、会場のディスプレイでも投影。「日本語がすごくうまい」「ノリノリすぎるだろw」といった数多くのコメントが、日本から届き盛り上がっていた。

 

「ゲーム」ブースでは、海外でも人気がある「電撃文庫」のAFA_GAMEキャラクターが登場する格闘ゲーム最新作「電撃文庫 FIGHTING CLIMAX」の体験コーナーを設置。海外のゲーマーたちが多数集まり、盛り上がっていた。また、国会議の開催にあわせて日本のニコニコ本社でも「国会議連動ゲーム体験会 in ニコニコ本社」が開催されており、AFAの参加者とニコニコ本社の参加者によるオンライン対戦も行われた。

 

「踊ってみた」ブースでは、国会議のステージでもAFA_PCFパフォーマンスを行った「踊り手」や「ヲタ芸」のパフォーマーが登場。初日には、踊り手の「愛川こずえ」さんがニコニコ動画の人気曲「ルカルカ★ナイトフィーバー」のレッスンを行ったほか、ヲタ芸のパフォーマーのPCFが来場者からリクエストがあったアニメソングのヲタ芸のレッスンを行った。

 

「落書きコーナー」では、来場者が思い思いのイラストやメッセージを書けるボードを設置。AFA終了後には日本で展示をされる予定である。

AFA_ILL

 

そのほか、ニコニコグッズを販売する物販コーナーも設置され、多くの海外ニコニコユーザーが買い物を楽しんでいた。

 

■ドワンゴ取締役 夏野氏の“国会議”への想い

 

フランスのJapan Expoを始め、ニコニコの海外イベント出展は今回に始まったことではないが、これほどまでの規模は初となる。なぜいまここシンガポールAFAだったのだうか。会場を訪れていた株式会社ドワンゴの取締役・夏野剛氏はこう話す。


「今年でAFAは7年目だけど、すでに集客力あるイベントであることは証明されてるからね。欧米と違って、アジアは親和性が高いと思うし、コスプレや日本のオタクカルチャーを普通に受け入れれている。来てる人が普通の人だからね。

今後のニコニコの世界戦略?別にとくにないよ(笑)僕らは戦略的に組み立てたり、率先して切り開いていくというより、ユーザーの声を聞いてサービスを作っていくからね。ただ、世界にこういうサービスはニコニコしかないし、クールジャパンの全てが詰まってるとは思うよ」

これまでニコニコ自体は英語・中国語などに一部対応してきたものの、サービスを積極的に海外へ展開をしてきたわけではない。しかし今回現地での盛り上がりぶりや、今後ますます増え続けてるであろう海外のオタク・カルチャー好きのニーズ次第では、海外でのサービスローンチも十分期待できるだろう。

 

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文・AFA取材班