現在、日本の文化にまつわる海外でのイベントが盛んで、世界中のいたるところで数多くのイベントが開催されている
フランス・パリのJapan Expoやアメリカ・ロサンゼルスのAnime Expo、イギリス・ロンドンのHyper Japanなど大型のイベントは毎年その規模を拡大してきており、それに呼応して近隣の国々で新しい日本関連のイベントが行われる例も少なくない。
東南アジアにおいては、Anime Festival Asiaが一昨年までのシンガポール・インドネシアの2カ国開催であったところに、昨年から新たにタイでの開催が追加されたことも記憶に新しい。
今回ガリガリ編集部では、タイ・バンコクにおいて2014年に第一回目が開催され、初回にして約20万人を動員したイベント「JAPAN EXPO THAILAND」の現地取材を行った。
(※編集部注 フランスで毎年開催されているJapan Expoとは基本的には別イベント)
■二回目の開催となる「JAPAN EXPO THAILAND 2016」は2016年1月22日から24日の三日間、タイ・バンコクの商業施設セントラルワールドにて開催された。)
伊勢丹や紀伊国屋も出店しており日本との関係も浅からぬセントラルワールドは、売り場面積が55万平米を誇るバンコクの中心に位置するタイ国内最大級の商業施設だ。
同イベントは、セントラルワールド内でのブース出展にとどまらず、屋外に大型ステージや日本食に関するフードコートを併設され、日本のアニメ・音楽・ファッション・キャラクター・食など多くのジャンルに関しての複合的なイベントとなった。
もともとは昨年8月28日から3日間で予定されていたイベントであったが、8月18日に起きたテロの影響を受け、約5ヶ月開催時期が延期となった経緯がある。
3日間のイベント期間のうち、初日の22日は屋内のみ、23日・24日は屋外ブースを含む全スペースを使用してのイベント開催となった。
初日となる22日は、平日ということもあり大混雑という規模での動員にはいたらなかったものの、ステージ周りには多くの観客が集まり、ステージでのイベントが始まるやいなや、ステージを取り囲む吹き抜けのホールにはアーティストの歌声とともに、観客の完成が響き渡った。
集まった客層を見ると、平日ということもあり地元客よりはアイドルのために日本から駆けつけたファン層が多かった。わざわざタイまで来たファンだけあって熱量は高く、曲中のコールも完璧で、日本のファンのパフォーマンスも込みで地元客は楽しんでいたという印象だ。
制服姿の学校帰りの学生も多く、ステージ周りはもちろん、2階に併設された日本の大学の留学フェアの相談ブースでは真剣に話を聞く生徒の姿が目についた。
一般客層が増える土日においては、屋外会場を中心に大変な賑わいを見せた。
企業スペースでまず目を引いたのは、アニメ海外配信サービス・DAISUKIのブースだ。関連アニメタイトルのフィギュアやグッズを展示するとともに、現地のファンに向けて、サービスのプロモーションを積極的に行っていた。
アニメ関連としては、2月6日にオープンとなるAnmate BangkokもPRを行っていた。(詳細なレポートは別記事にて紹介する)
フードコートには日本人にも馴染みのあるローソンや大阪王将、花畑牧場、徳島ラーメンの東大などが出店し、たこ焼きやラーメンなどの定番の日本食を提供した。提供価格はローソンでたこ焼きが50バーツ(約180円)など比較的手頃で、食事時になると人気店には長蛇の列が出来た。
その隣ではISUZUが車を出展するとともに、その横のTokyo Crazy Kawaiiブースでは関連アーティストがステージイベント終了後に握手会を行うなど、そこかしこで人だかりができていた。
ステージイベントについても、常に多くの観客が詰めかけていたという印象だ。とくに最終日となる3日目は、午前中スコールに見まわれた関係で、ステージイベントの開催が危ぶまれたが、雨がやんで以降は取材することもままならないほどの観客が押し寄せ、AKBを筆頭にどのアーティストのイベントも盛況だった。(別記事にて紹介予定)
またイベントの最中、アニメやゲームのキャラクターの衣装で着飾ったコスプレイヤーたちも非常に目を引いた。色とりどりのコスチュームをまとったコスプレイヤーたちが、屋外会場はもとより、セントラルワールド内を違和感なく歩きまわっていたのが印象的だ。初音ミクのコスプレをしたファンがその格好のまま化粧品売り場で販売スタッフに商品の説明を求めたりしているさまは中々日本では目にかかれないのではないだろうか。
コスプレをするキャラクターについても刀剣乱舞やラブライブ!、オーバーロードなど最近のタイトルも多く、すでにコンテンツが伝わる速度において日本との時差はないことが実感できた。
(コスプレイヤーたちの写真は別記事にて紹介予定)
現地のファンにヒアリングをしたところ、本当にコアなファンは自ら日本に足を運ぶとともに、ファンコミュニティ内で誰かが日本に行く際は欲しいものを互いに購入し合っているとの事だった。日本のスマホアプリもタイで遊べるものはひととおり挑戦しているようで、Fate / Grand Orderやアイドルマスターシンデレラガールズスターライトステージなどはすぐに名前があがった。
現地で取材し、ファンの声を聞くことで、バンコクにおいて日本のコンテンツに対する熱は非常に高くニーズも強いと実感した。
JAPAN EXPO THAILANDも含めタイでの日本のコンテンツマーケットの今後の動向から目が離せない。
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■参考リンク
ジャパンエキスポ タイランド 2016 – Japan Expo Thailand
http://japanexpothailand.com/?lang=ja